お気に入り度:
★★★★九編の武家もの短編集。
藤沢周平の短編集の書評では、収録作品の共通点を見つけてコメントをすることが多いが、本書ではそれが見つけられなかった。
あとがきを読むと、本書は、十四年勤めた会社を辞めて精神的に忙しい日常の中で、興にまかせて書いた小説で、とくにまとまった傾向を示すものではないとのこと。
あえて共通のコメントをつけるなら、
「嬉しくても悲しくても丸みを帯びた感情の突起が、心地よく心を刺激してくれる」
というものだろう。
収録作品の中では、暖かな春の心地をもたらす【冤罪】が気に入っている。
収録作品
証拠人、唆す、潮田伝五郎置文、密夫の顔、夜の城、臍曲がり新左、一顆の瓜、十四人目の男、冤罪。
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